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2013年4月21日 (日)

活版

こんちわ

『高岡重蔵活版習作集』を買いました。ちょっと高いほんなのだけれども……

嘉瑞工房はプライベートプレス、まあ、言ってみれば趣味の印刷工房で、
だけれも、うっとりするような綺麗な組版。
欧文の組版がメインなんだよね。
“I can not read english
I can not write english
I can not hear english
I can not speak english
But I love typography” なんて、ちょっとしびれます。

掲載されているものは、カレンダーとか、商業ベースではないであろう作品が伺える。
だけど、たぶん、大部分の商業的印刷物より綺麗だとおもう。
でも、商業的じゃないもののほうが良いものができてるは、考えてみたら少し変な感じもする。
やっぱり仕事になると違ってしまうのかな。
印刷物の発行数も、本の発刊数も、昔に比べたら格段にあがっているだろうけれど、
綺麗な組版をやっているものに出逢う機会って、少ない気がする。
宣伝でも、書きものでも、書く人は増えたし、見せたい人も増えた。
だけど、文章を書いて、それを見せる段階で気を遣わないケースが多い。
「読めればいい」って姿勢は、どうも好きになれない。
そうまで思っていなくても、気を遣っていない。
誤字・脱字はチェックするけど、表記の乱れまで気にしない。
約物の使い方の間違いなんて、結構恥ずかしいと思うんだけどな。
嘉瑞工房の姿勢って、憧れるし、見習うところもある。
飽くまで活版の工房だけど、この本自体も本造りも糸を使っているし、
いろんなところにこだわりを感じられる。

ちなみに、版元の烏有書林の栞が挟んであったのだけれども
“No paper , no ink, not a book.”って書かれている。
いまの時代に、この姿勢。

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