苦悩
こんちわ
棚の奥で発酵しかけていた『オディール』を読みました。元々そんなに本を読まない私は、児童文学者以外にあまり好きな作家というのはいないのだけど、クノーは好きな作家で、翻訳されているものも割と購入しているかも。GWに同じく発酵しかけた『はまむぎ』を見つけたのと、『あなたまかせのお話』購入し他のも相まって、『オディール』を掘り出してみたわけです。
背景にそんなに詳しくなくても、この登場人物はあのことの暗喩なのかな・・・とか、頭をよぎってしまう。含みたっぷりのまさに自伝的小説だと思う。起こる事件が、薄く描かれているために、話の筋を追うのが難しい(それ以外の部分が細かいし)、『オディール』は、ちょっと読みにくい感じもある。最後の辺りで、時間の流れが急に速くなって、急にメッセージ性が強くなる。特に最後の1ページがすばらしくて、是非読んでほしい。
絵を描いたりとか、そのほかにものを作ったりすると、どうしても、個性的でなければならないのではないかと思う。人より、一般的よりは特別な存在でなければいけないと思う。しかし驕ってはいけないと思う。破天荒でいれば個性的であると思ってはいけないと思うし、一般的よりは特別であろうとすることが限りなく我儘であることを認識していなければいないと思う。特に小説の内容にふれないけれど、ぐさりと突き刺さるような部分がある本です。レーモン・クノーの境地をこんなに簡単に解釈してはいけないかもしれないけれど。それでも、ある程度は自分が特別であると思っていないと、やってられない部分もあるんだよね。この辺から自分はちっぽけな人間だと思う。
そういえば、『シュルレアリズム宣言』を買っていたことも思い出したので、掘り出してみよう。それにしても、クノーはまさに仮フランス装が似合う作家だと思います。『オディール』の装丁もなかなか良いです。
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